じゅーしーを英語で説明!メニュー翻訳のコツと「ジューシー」の由来・歴史まで徹底解説
はいさーい!「沖縄インバウンドメニュー翻訳サービス」編集部です。
沖縄の食堂や家庭で、お椀から立ちのぼる出汁の香り。その瞬間に「あぁ、沖縄に来たんだな」と感じさせてくれる料理のひとつが、じゅーしーです。沖縄そばの名脇役であり、旧盆や冬至といった行事食としても広く親しまれている存在。じゅーしーは単なる「味付きご飯」ではありません。
そこには、沖縄の暮らし、歴史、そして健康を願う思想が静かに詰め込まれています。ところが英語メニューになると、「Seasoned Rice(味付けご飯)」といった、価値が伝わりにくい翻訳で終わってしまうケースが多く見られます。これは翻訳ミスではなく、「伝え方の設計ミス」です。
海外のお客さまは、料理そのもの以上に「どんな文化を体験できるのか」を見ています。この記事では、じゅーしーを誤解なく伝え、文化として理解され、価格ではなく価値で選ばれる料理に変えるための、完全実務ガイドをお届けします。
【豆知識】「じゅーしー」と「ジューシー」、どっちが正しい?
表記に厳密な決まりはありませんが、その由来を知るとお客さまへの説明に深みが出ます。
名前の由来は「雑炊(ぞうすい)」
「じゅーしー」という言葉は、本土の「雑炊(ぞうすい)」が沖縄の言葉で転訛(てんか)したものとされることが多いです。「ぞうすい」が長い年月をかけて「じゅーしー」へと変化した……。そう考えると、沖縄と本土のつながりも感じられて、なんだか温かい気持ちになりますよね。
家庭的な温かみを出すなら「ひらがな」、モダンな印象なら「カタカナ」など、お店の雰囲気に合わせて選んでみてください。
1. 本土の炊き込みご飯と何が違うのか
海外のお客さまから、“Is this similar to Japanese takikomi-gohan?”と聞かれたら、この2点を伝えましょう。
① 伝統的な「豚だし」と「ラード」のコク
本土の炊き込みご飯が鰹や昆布出汁を中心とするのに対し、伝統的なじゅーしーは「豚」との関わりが非常に強いのが特徴です。豚肉を茹でた出汁(Pork broth)で炊き、仕上げにラード(Pork fat)を加えてコクを出す作り方が広く知られています(※家庭により鰹だし等を合わせる場合もあります)。これは「鳴き声以外はすべて食べる」という沖縄独自の豚文化を象徴する調理法です。
② 旨味を米に“吸わせきる”濃厚さ
語源が雑炊であるとされる通り、本来はじゅーしーは米に水分と旨味をしっかり吸わせきる料理です。すべてを一体化させる濃厚な味わい(Richness)は、海外ゲストにとって「Comforting(心が休まる)」と感じる大きなポイントになります。
2. 知っておきたい「じゅーしー」の二大系統
食感の違いを英語で区別して伝えると、非常にプロフェッショナルな印象を与えます。
① クファ(硬め)じゅーしー / Kufa Jūshī
「クぁ(硬い)」という言葉の通り、水分を飛ばして炊き込みご飯状に仕上げたタイプ。お弁当や祝い事の席でも定番です。
【英語表記】
Jūshī – Okinawan Seasoned Mixed Rice
“A flavorful steamed rice dish cooked with savory broth, vegetables, and pork belly.”
(豚の旨味と出汁を凝縮させ、野菜や三枚肉とともにふっくら炊き上げた沖縄伝統の炊き込みご飯です。)
② ヤファラ(柔らかめ)じゅーしー / Yafara Jūshī
雑炊のように汁気が多く、柔らかいタイプ。別名「ボロボロじゅーしー」とも呼ばれます。食べやすいため、日常食として、また体調を整えたい時にも愛されてきました。
【英語表記】
Yafara Jūshī – Okinawan-style Savory Rice Porridge
“A soft, comforting rice porridge simmered with extra broth. Similar to a rich savory risotto.”
(たっぷりの出汁でことこと煮込んだ、身体に優しい沖縄風の雑炊。リッチな味わいの和風リゾットのようにお楽しみいただけます。)
3. バリエーション別:そのまま使える英語訳と解説
こだわり具材や行事食の背景を英語で添えてみましょう。
【具材別の魅力】
- 🌿 フーチバージューシー(Mugwort Jūshī)
“Features the refreshing aroma of Okinawan mugwort. This traditional herb is beloved in Okinawa and is believed to aid digestion.”
(よもぎの爽やかな香りが特徴。沖縄で万能ハーブとして愛され、消化を助けると信じられています。) - 🌑 イカスミ(クリ)ジューシー(Squid Ink Jūshī)
“A jet-black rice dish with a deep ocean umami. Visually striking and incredibly savory, it’s a popular choice for adventurous foodies.”
(イカスミの深いコクが絶品。見た目のインパクトもあり、インバウンドのお客さまにも人気です。) - 🥕 カンダバー / チリビラジューシー(Local Greens Jūshī)
“Made with local vegetables like sweet potato leaves or garlic chives. It showcases the wisdom of Okinawan home cooking using everyday greens.”
(さつまいもの葉やニラなど、身近な野菜を大切にする家庭の知恵が詰まっています。)
【行事とともに歩む味】
- 🥢 ウンケージューシー(Ancestor Welcome Jūshī)
“Traditionally served on the first day of the Lunar Obon festival to welcome ancestral spirits back to the family home.”
(旧盆の初日(ウンケー)に、ご先祖様をお迎えするために供えられる特別な一皿です。) - 🍲 トゥンジージューシー(Winter Solstice Jūshī)
“A hearty dish with taro or sweet potatoes eaten during the Winter Solstice to pray for family health and prosperity.”
(冬至(トゥンジー)に、里芋や田芋を入れて炊き、家族の健康と繁栄を祈念して食べられる滋味深い一皿です。)
4. 絶対に避けたい!NG英語表記集
- ❌ Rice Pilaf: バターやパラパラ感を期待されるため不向き。
- ❌ Japanese Fried Rice: 「炒めていない」ので混乱を招きます。
- ❌ Juicy Rice: 「果汁たっぷりの甘いご飯?」と誤解されます。
5. じゅーしーは「くすいむん(命の薬)」
沖縄には「食は薬(くすいむん/ぬちぐすい)」という考え方があります。じゅーしーは、食べる人の無病息災を願って作られてきました。
“In Okinawa, food is considered medicine. This dish is prepared with a wish for your health and longevity.”
(沖縄では食は薬と考えられています。この一皿には、お客様の健康と長寿への願いが込められています。)
インバウンド客向けのメニューへき記入方法
1. 【基本の紹介】名前と特徴を伝える
まずは「Jūshī」という名前を覚えてもらいましょう。
※下記の画像はよろしければ素材として使ってください。

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English:
Jūshī – Okinawan Seasoned Mixed Rice Traditional comfort food of Okinawa. Unlike standard Japanese mixed rice, it is typically cooked with a savory pork broth and local vegetables.
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日本語訳: じゅーしー:沖縄伝統の炊き込みご飯 沖縄の伝統的なソウルフードです。本土の炊き込みご飯とは異なり、豚の出汁と地元の野菜を使って味わい深く炊き上げるのが特徴です。
2. 【種類別】食感の好みに合わせて提案する
「クファ」と「ヤファラ(ボロボロ)」、どちらが好みか選んでもらうためのフレーズです。
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クファ(硬め)がお好きな方へ:
“A flavorful steamed rice dish cooked with savory broth, vegetables, and pork belly.”
(豚の旨味、野菜、三枚肉を一緒にふっくら炊き上げた、風味豊かな一皿です。) -
ヤファラ(柔らかめ)がお好きな方へ:
“A soft, comforting rice porridge simmered with extra broth. Similar to a rich savory risotto.”
(たっぷりの出汁でことこと煮込んだ、身体に優しいお粥風。濃厚な味わいのリゾットのようにお楽しみいただけます。)
3. 【具材別】こだわりをアピールする
「ここが違う!」というお店の個性を伝える一言です。
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🌿 フーチバー(沖縄よもぎ)
“Includes Okinawan Mugwort (Fūchibā). This local herb has a refreshing aroma and is believed to aid digestion.”
(沖縄よもぎ「フーチバー」入り。爽やかな香りが特徴で、消化を助ける健康ハーブとして親しまれています。) -
🌑 イカスミ(Squid Ink)
“Squid Ink Jūshī: A striking jet-black dish with deep ocean umami. A local favorite!”
(イカスミじゅーしー:海の旨味が凝縮された真っ黒な見た目がインパクト抜群。地元でも大人気です!)
4. 【歴史・文化】「体験」としての価値を高める
単なる食事を「文化体験」に変える魔法の一文です。
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名前の由来について:
“The name ‘Jūshī’ is said to originate from ‘Zōsui’ (Japanese rice porridge), evolving over centuries into our unique Okinawan style.”
(「じゅーしー」の名は日本の「雑炊」が由来と言われ、何世紀もの時を経て沖縄独自のスタイルへと進化しました。) -
健康への願い(くすいむん):
“In Okinawa, we believe ‘Food is Medicine.’ This dish is prepared with a wish for your health and longevity.”
(沖縄には「食は薬(くすいむん)」という教えがあります。この一皿には、あなたの健康と長寿への願いが込められています。)
編集部メモ:
じゅーしーは沖縄を語る名刺
ただの「Mixed Rice」と書くよりも、「由来は雑炊。伝統的には豚だしを使い、健康を祈って食べるソウルフード」と伝える方が、ずっと素敵だと思いませんか?
- 名前は誇りを持って「Jūshī」と呼ぶ
- 由来は「雑炊(Zosui)」にあり、豚だしのコクが決め手
- 「健康への願い」という物語を添える
料理は、背景を語った瞬間に「ただの食事」から「一生の思い出」に変わります。ぜひ、あなたのお店ならではのじゅーしーを、世界に誇れる一皿として届けてください。
ちゃーがんじゅうで、今日もいい一日を!